侵略する少女と嘘の庭(清水マリコ著)

ジャンル:その他小説
 相変わらずと言えば相変わらず。
 女子中学生の女子中学生っぷりがなんだ、なんか、こういうもんだよな。
 その一方で男の子が綺麗過ぎる、というか、男の子のときめきの形式のアレっぷりがあんまり活写されてないかなあ、とも思う。「多少なりとも好意的な態度を取られると「そうそう、そう言えば僕もあの子のことが好きだった」とか思えてきてしまう」(古橋秀之「トトカミじゃ」)というような自己欺瞞テイストがあんまりなくて、どうにも誠実で清潔で上品。わがままだったり嘘つきだったりする女の子に比べてやや不公平、というか。
 あと、嘘度は三部作で一番低いかも。
MF文庫J 2006年3月発行