吉永さん家のガーゴイル 2(田口仙年堂著)

ジャンル:ファンタジー

 んー。面白は面白い。のだが。

性格の方も臆病だが、やるときにはやる、立派な高校生男子だ。

無口だが明るい、ある意味で吉永家最強のママ。

 なんかこういうのすっごく気になる。珍しい事を言いますが、こういう表現があるとモノガタリにのめりこんでいたいのに冷水を浴びせかけられてゲンジツに引き戻されてしまうのです。

 作品内での人物の役割に対する不用意でかつ価値中立的でない言及ね。これ一番リアリティのレベルを混乱させると思うんだけどな。それは描写じゃなくて説明だよ、と言う事なんだけど、中でもこの手のは主題を先回りして説明しちゃってるわけで、じゃあこの先読まなくていいじゃん、と思ってしまう。早い段階でテーマを敢えて明言しちゃう手も無論あるんだけど、そこには敢えて、という作意の匂いがちゃんとしてくれないとこいつちゃんと分かってんのかなと不安にさせられるだけでさ。

 いや言い回しがぬるいファンみたいで作家の自作の人物に対する評価・把握がそれでいいのかと思うだけでもあるんだけど。

 あー、ファンにして欲しい評価をそのまま書いちゃってる、というのがわかりよいかな。

 んー、みんな、気にならないですか?

ファミ通文庫 2004年3月発行