柳生雨月抄(荒山徹著)

ジャンル:ファンタジー
 やりすぎ。ひどい。いい加減にしなさい。アホかアンタは。
 全部(褒め言葉)がつく、と言いたいところだがつけてもつかなくてもどっちでもいい。
 あまりにもオタです。巨大蛾とかヅカ剣士とかはさておき、征東行中書省がいくらなんでもゴルゴムとかクライシス帝国です。怪異譚つうよか特撮です。しかも昭和の。友景は、彼岸に触れながらも無垢な魂を抱き続けるスーパーヒーローで、それってつまるところ昭和のライダーだし、大魔縁はあまりにただの長官です。朝鮮妖術士はどいつもこいつも人間+動物の黄金パターンなライダー怪人。普通の兵士がバコバコ切られるのは連中がまさに戦闘員だから。
 えー。まあ、突っ込んだら負けなんだけどさ。
 ファンタジックに汚いセックス大好きなとこはなんか共感しないではないです、雷鳥会的で。
新潮社 2006年4月発行