とらドラ! 2(竹宮ゆゆこ著)

ジャンル:その他小説

 一巻がいくらなんでも神がかっていたので、比べりゃ見劣りします。比べりゃね。

 多分、引きが上手すぎるんですね、この人。一体何が起こってしまうのか、どんな凄まじいものがこの先待っているのかと期待させすぎてしまう。冷静に考えれば人助け竜虎参りと化するのは当たり前で、竜児と大河のラブラブっぷりは後景に退くしかないのはわかるんだけれど、いや、やっぱりこう、期待はずれって思っちゃうのはしょうがないです。

 そんなわけでなんとかマーキュリーみたいな名前の新キャラが勇気を搾り出すまで。手乗りタイガーになくてチワワにはあるものの数々がなんというかまあ一々どうという事もなくてタイガーの世界一の美少女っぷりだけが際立ちます。勇気と根性なら手乗りタイガーには売るほどあるわけで。たけゆゆセンセは本当に容姿に恵まれた引き立て役の女子を多用するなあ。

 大河が世界一である事は傍から見れば自明なのに、本人だけはそれに気付いていない。むしろそれが世界一の要件か。二流と名付けられた一流の男みたいな。

電撃文庫 2006年5月発行