いけないお仕事(BLACKPACKAGE、2002年)

 最終回でございます。ここまで全部二十一世紀のゲームなのはわざとです。遡りだすと止まんないから。
 最終回のこのゲーム、これまでのゲームと全く違う部分がひとつあります。それは、異様な部分がまるでないという点であります。
 すごいフツー。なんかまあフツーに各ヒロインに複数回Hがあって、ストーリーにもまあ予定調和な範疇だけど起伏があってかつヒロインごとのバリエーションにも富んでいて・・・という。これくらいのマイナータイトルってのは往々にして作った人のヘンな癖が出てくるもので、そこを楽しもうというのがこの企画だったわけですが、そういう部分がまるで垣間見えないこのゲームは、それはそれでなんか凄いです。
 そのまともさが、かなり軟弱なヤリゲーとしての結構と微妙に齟齬をきたしている。
 その齟齬が一番綺麗に露呈するのは可南絵の巫女服とか式次第とかの絵と文双方の描写に、行き届いた取材を感じる瞬間。
 なんかそこまで気合入れるほどなんかなー、と贅沢な微妙さを感じてしまう。
 まとめて言えば、普通に人に勧めて恨まれないゲームです。絵もテキストもしっかりしてるし、ちょっとパズルっぽい要素があるところも楽しい。
 微妙ですらない傑作という気もしないではないけど、そう言いきるには平凡な、やっぱり微妙な代物です。
 ううむ、煮えきらん。・・・やっぱ『凌辱の連鎖』とかの方が良かったかな。