塩の街 wish on my precious(有川浩著)

ジャンル:SF  
 第十回電撃ゲーム小説大賞大賞受賞作。
 なんかもう人が塩になってしまう謎の災害で文明社会がアレしちゃった東京が舞台ですよ。イケメンと小娘が同居してますよ。二人はラヴで、二人以外のセカイなんてどうだっていいんですよ。お互いのために頑張っちゃったりなんかして、結局上手く行くんですが世のため人のためなんてのはファックオフ! 俺らは俺らでラヴるぜ!
 ええ、セカイ系です。しかも説明臭え、という最悪のパターン。すみませんがどこがハードSFなのか誰か解説してくだせえ。科学的には『キン肉マン』か『男塾』かという勢いですよ。バラードでも読んで出直してみ?
 セカイ系でかつ駄作という、なんかそういう事を言いたい人には格好のサンプルなのではないかと思われますが、別にそんなもんが欲しくてライトノベル読んでるんじゃねえ。
 ううむ・・・。電撃の女性受賞者に当たりなしとは真実であったなあ(注)。どうして『ブラックロッド』よりすごいのは何時まで待っても出てこないのかしら。それだけを電撃ゲーム小説大賞には期待してるのに。

(注;第十回金賞の我が家のお稲荷さま。の作者、柴村仁は女性だとの事である。掲示板で情報を提供してくださった鴉氏に感謝したい。筆者は『我が家のお稲荷さま。』に高い評点をつけており、である以上女性受賞者云々の文言は削除すべきかとも思われるが、しかし『塩の街』を読んだ時にまた電撃の女性受賞者はスカだった、と思わされたのは事実であり、その個人的な経験の記録として、この注釈を補記するのみとしておく。)
電撃文庫 2004年2月発行