妄念

いいわけ2

四葉が髪を切ってきた。 長かった―といっても鞠絵や咲耶はどではなかった―髪の毛をばっさりと短くしてしまった。 鈴凛よりも短いだろうか。襟足をほとんど残していないから、特にそう見える。七三に分けた前髪を、ピンで留めているそこだけは昨日までの四葉…

じいやさんの事情

「じいやー&hearts」 「私はじいやではありません。語り手です」

まだ見つかりません

「あ」 先に気付いたのは、彼女だった。 僕はというと、人の顔を見分けるのにイマイチ自信がない。 「キミ・・・だよね・・・?」 「うん。多分、僕」 よかった、と言いながら彼女は微笑んだ。何年ぶりになるのだろう、その笑顔があの頃と変わっていないのか…