悪魔のミカタ パーフェクト・ワールド(休日編)(うえお久光著)

ジャンル:ミステリ

 上下巻にした意味何?

 上巻の内容60ページにまとめて一冊にすりゃいいじゃん。

 単独ではそれなりに面白かった。あやしげな薀蓄の続出する剣戟シーンとかちょっとかっこいいし。犯人が罠にかけられるくだりも相変わらず上手いし。

 けど、やっぱり上巻に意味がない。全然状況始まってないから。遊園地でデート、てとこから《知恵の実》を巡る状況は開始されるわけで、その前ってただの前提で、一冊を費やして描く価値は一切ない。

 その価値のなさが読後感を大幅に悪化させている。贅肉を削ぎ落とすのって大切よね、なんにつけ。


電撃文庫 2002年7月発行