ファウスト第一号
サイン会の整理券番号は043です。
西尾維新「新本格魔法少女りすか やさしい魔法は使えない。」
なんか・・・微笑ましいなあ。
トリックの他愛のなさとかキズタカのあまりに分かり易い意地の張り方とか。
全体として、書いてる人がいい人っぽい。和む。
飯野賢治「ロスタイム」
大学の文芸サークルの冊子に一つくらい載ってたら、おっ、得したな、と思えるくらいの小説。
つまらないとは言ってません。でも・・・・・なんで?
東浩紀「動物化するポストモダン2 メタリアル・フィクションの誕生」
面白い。
別段目新しい事は言ってないっていうか、ある種のエロゲーマー/ギャルゲーマーにとっての常識的な感覚をまとまった商業原稿にしただけの評論ではあるのだけれど、それだけに反論すべき点がほとんど見当たらない。すげえや。
「この点で、本論のギャルゲー/ノベルゲー論は、『動物化するポストモダン』よりも少しだけ前進している。」とかはまあ、ご愛嬌でしょう。
ジェットストリーム・トークセッション 斎藤環×滝本竜彦×佐藤友哉
これもまあこの組み合わせならこんなものでしょう。面白いけど。
『フリッカー式』と『エナメルを塗った魂の比重』がエンタテインメントで、『水没ピアノ』以降はそうではない、という佐藤友哉の認識は変なのだが、なるほどこの人にとってのエンタメってエヴァだったのか、と思うと物凄く納得がいく。自分の話をするようになってからの方が端正な小説を書いているあたりとか。
森川嘉一郎「オタク20周年に寄せて」
浮いてるよ。相当真っ当なのに浮いてます。
これがアレか。オタクとサブカルの落差って奴か。
ダメっていっときゃそれでいいと思ってるオタクの思考停止は唾棄すべきものだし、自分はセンスがいいと信じてる傲慢なサブカルどもは脳漿をブチ撒けさせてやりたい。
オタクの生き様もサブカルの生き様も、どっちも先行世代が俺たちをコントロールするために敷いたレールだ。大人が敷いたレールの上になんて誰が乗ってやるものかよ、とこういう場では無責任に言い放つ俺なのだった。
全体として読み応えはある雑誌だったと思います。版型が小さいのも便利。
目次にページ数が入ってないのは手抜きの謗りを免れないでしょう。あと、イラストの使い方が物凄くヘタ。編集の拙さを感じるが、それも今後この雑誌が号を重ねるにつれて巧くなっていくのでしょう。編集者の成長も楽しめて二倍お徳ですね、と政治的に配慮しした発言。どこへ?